→POETRY 03←

《許容》

貴方に誓った約束を
身勝手な我が儘で破ってしまう
私の心に課せられた戒めを
残酷な言葉でますますきつく締める

ごめんなさい、と
もう何度謝ったのでしょう

許してもらえるとは思っていない
そんなことはずっと前から知っている
いつでも優しいようでいて
いつでも冷酷になれることを

だから、許して欲しいとだけは言わない

言えないと分かっている
まだ貴方の側に居たいから
その台詞を言ってしまったのなら
私は貴方に殺されてしまうしかない

それでもいいのなら

=2001/11/08=

《遭遇》

いつまでも動けないから
貴方にもずっと会えなくて

当たり前のことなのに
私にはもどかしく思えて

苦しいだけで
どうにもならなくて

誰かに助けてほしいと
願ってた

祈り

届かない叫びを
無意味に音にして

声だと思っていたのは
風の鳴子

絶望だけが
心を占めて

誰かのぬくもりを
求めてた

望み

ただ 貴方だけが
此処へ来るのを待って

=2001/11/05=

《呪縛》

言葉に縛られて
考えることもままならなくて
混乱する記憶の海に
沈んでいく

沈んでいく私

微かに震える指先
何を求めるでもなく
怯えているわけでもなく
震えている

誰かに咎められ
返す言い訳すら思いつかず
きょろきょろと
その瞳だけ動いてる

震えてる
動いてる

静けさを探して
何処までも歩く

けれどそこは囲われた箱庭
閉ざされた作り物

私はまだ抜け出せない

=2001/11/04=

《混濁》

貴方だけが苦しんでいると
そんなこと 誰が言った?

走ってる私の上で
ゆるゆる輝く月
一体 何を伝えようと
空にぽつんと浮かんでる?

悲しみのための涙など
とうの昔に尽きてるのに
今更何を訴えたいの?

冷えたまま
渇いたまま

ただ一人で生きていろと
言ったのは貴方でしょうに

貴方だけが迷ってると
そんなこと 誰が言った?

目を逸らして
嘘をついて
そこまで自分を守りたい?

貴方なんかのために流す涙など無い
だから涙など
とうに尽きたと言ってるでしょう

邪魔をするのなら
静かに殺してあげるから
いつまでも此処にいないで

貴方だけが惨めだと
そんなこと 誰が言った?

=2001/11/03=

《桎梏》

ただ一人で歩いてた
何をすることもなく歩いてた
目は虚ろなまま歩いてた
傷だらけの腕は疼いてた

軽く引っ掻いたら
血が流れ出た

とても大切な人に会えたことに
素直に感動しながらも
その手首に巻かれたチューブに
顔をしかめてしまう

これを外したらいつでも楽になれる
と言った

静寂が真横で私を待っている
ひたすらに命尽きる時を待っている
気が狂う時を待っている
壊れる時を待っている
歯車はいつも廻るだけ

=2001/09/22=

《名残》

貴方の影が付きまとう
僕をもう放してくれ
これ以上いると気が狂ってしまう

たとえ影でも貴方は貴方
いつまで経っても消えてはくれない

貴方の匂いが染みついて
僕を縛り付けていく
これ以上抑えきれない

確かに貴方を愛していたのだから
僕を捕まえたりなどしないでくれ

なあ

逃してくれよ

=2001/08/09=

《憫笑》

悲しむばかりで前なんか見ない
羨むばかりで手に入れようとしない
いつもいつもそればっかり

馬鹿みたいに笑えば
貴方みたいに幸せになれる?

嘆くばかりで過去なんか顧みない
恨むばかりで自分の事なんか知らんぷり
いつもいつもそればっかり

嘘をついてでも笑えば
貴方みたいに幸せになれる?

汚れても 知らんぷり
剔れても 知らんぷり

壊れても 削れても 呆けても 朽ち果てても

馬鹿みたいに笑う

=2001/08/09=

《裂帛》

怒りにまかせて
感情ぶつけて
私は貴方を壊すから

悲しみ深く
嗚咽流れて
私は貴方を憎むから

知らない 知らない
何にも教えてくれないから
私は何にも知らない

見えない 見えない
全てに覆いをかぶせたから
私は何にも見えない

全て貴方がしたこと
私は何も言わずに享受する
全て貴方を想うがため

全て貴方を想うがため

=2001/07/18=

《風塵》

目を閉じて
耳を塞ぎ
意志までも殺して

誤りを正さずに
なるがままに生きて
心を閉ざすの

風よ 吹いて
心のドアを叩くように
強く 強く

風よ 嘆いて
涙流せぬ私の代わりに
緩く 靡いて

静かに 静かに

=2001/07/18=

《狂気》

誰よりも近くて、
誰よりも分かり合える。
誰よりも遠くて、
触れ合うことの出来ない躯。

心についた傷。
癒してくれるのは貴方だけ。
暗い思い出。
共有できるのは貴方だけ。

いつか僕を殺してくれる?
なにもかも理解できるなら。

首を絞めてよ。
何も抵抗などしないから。
眠っているうちに殺せばいい。

めちゃくちゃに、僕を壊せ。

=2001/07/14=

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