→POETRY 09←

《閉塞》

アナタの言葉は伝わらない
閉じこもることを選んだワタシ
キレイ言なら言わなくていい
静けさだけが信じられる
ずっとずっと
ワカッテル って言い続けた
いつもいつも
知らないと誤魔化してた

アナタの言葉は伝わらない
ワタシの心は閉ざしたまま

アナタの言葉は伝わらない
ワタシの耳は潰されたまま

=2003/04/21=

《irresponsible talk》

誰にも言えない
だから黙るのさ
何も言わなきゃ
何もしないだろう

貴方にも言えない
だから黙ったまま
怒るだろうけど
見逃してくれよ

理解できない言葉
把握できない行動
そんなことばっかりで
いつだって馬鹿みたいだ

抱きしめれば解決するのか?
口付ければ目が覚めるのか?

子供が語る大人の話
そんなの童話だけで十分だ
子供に語られる大人の話
そんなの寓話だけで十分だ

夢だと言えば信じるのか?
好きだと言えば愛してくれるのか?

理解しがたい言動
把握しがたい欲望
そんなの気付いてたって
どうにも出来ないだろう

貴方も言えない
だから黙ったまま
気まずいだろうけど
我慢してくれよ

誰も言えない
だから黙るのさ
何も言わなきゃ
何も動かないさ

=2003/04/20=

《麻痺》

痛みに震える腕を抱えて
そのままで
何も喋らないで
余計な言葉を紡がないで

紡がないで

眠りにつくのは
お姫様ばかりじゃない
助けるのは
貴方とは限らない

だから

いつだって傍に居れば
いつだって見ていられる
この時ばかりは
独りでに救われる

救われる

痛みに喘ぐ声を殺して
そのままで
何も離さないで
余計な言葉も閉じ込めて

=2003/04/18=

《captured》

捉われないことに
囚われて

何てことだろう

そんな言葉すら
どこか空々しい
嘘を言うなら
最後まで
吐き通すのが
せめてもの報い

何てことだろう

誰の手でもないことを
誰の手にもないことを
信じて
願って
だからこそ
裏切られた
騙された

何てことだろう

=2003/04/18=

《camouflage 》

形には出来ないと言いながら
あっけなくそれを否定する
どちらなのかせめて教えてほしい
この手で掴めるものなのか

言葉には出来ないと笑いながら
それでも真面目な顔をして
嘘なのかせめてそれだけでも
どうせ言葉でしか伝えられないんだ

先延ばしにされた真実を
知らねばならないことに
呆れかえり
悲嘆して
吐息は諦めを絆す

=2003/04/10=

《キズアト》

自身も気付かぬほど
小さな小さな
それは 傷
棘が刺さったような
中途半端な痒みと
痛みを伴って
苛む

自身で付けたはずの
小さな小さな
――それでも深い 傷
感覚を失っても
いびつな形で残る
中途半端な痛みと
熱を帯びて

自身では見つけられない
深く 痕の無い傷
尖ったもので穿たれた
生々しい嗚咽を流して
涙が涸れ 咆哮ぶ
誰にも触れられないから
癒されもしない

=2003/04/10=

《瞻視》

自分を押し殺してまで
生きることなどできないから
そうだ 貴方に頼もう
剥離した私の欠片は
ひとつ残らず
ゴミ箱へ 捨てて
お願い
誰かを傷つけるのはイヤだから
お願い
貴方にしか頼めないこと

記憶を取り戻したことで
得られるモノは
あまりに 絶望的
後悔と嫌悪と
どうしようもなさに
吐き気を 催して
お願い
今だけは一人にして
お願い
貴方にだけは見られたくない

自分を押し殺してまで
生きるなんて耐えられないから
そうだ 貴方に頼もう
破砕した私の欠片は
ひとつ残らず
ゴミ箱へ 捨てて
お願い
誰にも頼めないこと
お願い
貴方にしか頼めないこと

=2003/04/07=

《私事》

ワタシと認められぬ一部は
とうとう叛乱を決して
壊すことを認めたらしい
まるで他人事のような内部事情は
あんまりに複雑で
やはり他人事以外の何でもない
ただワタシが蔑んできた
ワタシ自身を
忘れてしまおうとするのを
止めさせるべく
古傷をじくりじくりと
甚振りはじめる
全く
何て様だろう

私を認めぬ私は
やはり私を忘れようとしたので
少しだけ腹が立って
その意思に背いてみた
案の定慌てふためいた
私を私は見て笑う
いい気味だ
ざまあみろ
どうせとばっちりを受けるのは
私なのだろうけど
この際
誰彼巻き込んでしまって
私の存在を証明させても良いだろう
矛盾の上に立たされた私自身だ
私は自身も傷つきながら
私を忘れさせない為にも
あえて面倒な手段を取った

=2003/04/06=

《Ring》

皆で分け隔てた
言葉を
刻む
一文字ずつ
ゆっくりと

皆で寄り集めた
言葉を
刻む
一文字ずつ
手作業で

多分
何年か経ったら
お互い
それを見つけて
笑うのだろう

笑うのだろ
きっと
顔を合わせながら
ずっと
ずっと

=2003/03/17=

《manifestations》

どんなに憤っていたとしても
抱擁には勝てるはずもなく
他人などどうでも良いくらい
悲しみの情を曝け出して
泣き尽くして
しゃくりあげる
そのままに
愚痴をこぼせぬほど
息は絶え果て
落ち着く間もなく
まだまだ溢れる
眦から零れる
萎みきった肺に
ゆっくり空気を送る
落ち着いて
気付けば
どうしようもない怒りも
悲しみも恨みも全て
消え失せていることに
笑ってしまった

=2003/03/15=

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