《蚕》
ここらが潮時だろうと考えたのは
原因というものがなにかとは
己の限界と言葉なら軽いが
今までそんなことがなかった
だから
自由気ままにやってきたから
囚われてしまって
抜け出せない
=2003/11/16= |
《玉繭》
徐に消える糸など
己を守る壁が消える
徐に消える糸など
誰かに甘えることも出来ない 此処に篭ることも出来ない
=2003/10/31= |
《蛹》
想いを それでもはみ出てしまうのなら
気付かないフリを
想いを それでもあふれてしまうなら
見ないフリを
空っぽの繭に
具象して
空っぽの繭に
現出して
枯れ葉の中に埋もれた
孵るときを待って
=2003/10/31= |
《鶫》
誰も見ぬ
充足と安堵に包まれながら
答えなど
問いの中に言葉はある 問いの中に答えは眠る
=2003/10/29= |
《榕樹》
捕らえて放さない
絡みついた気根は
捕らえて放さない
花のように見えたのは
捕らえて放さない はなすわけもない
=2003/10/24= |
《鵺》
誰も私を知らない
それでも
誰もが惑わされてる
道化のようだと
誰しも持っている
=2003/10/24= |
《鶉》
ひどく小心な性質だから
縋りたいときもあるさ
鶉の卵みたいなちっぽけな中身
考えに埋もれてしまえば楽なのに
ひどく傷心しまうことも多いのに
頼りたいときもあるさ =2003/10/18= |
《霞喰み》
寄る辺無きことを ゆらりと月は霞み
寄る瀬無きことを されど留められず
絶えた糸を手繰りよせ
それもなお =2003/09/11= |
《ennui》
満たされるなんて
汚れた塵芥の中から
そっちの都合で捨てていったのなら
満たされるなんて
満たされたいなんて =2003/09/04= |
《記憶》
告げる言葉は遮られ
告げる言葉は失われ =2003/05/05= |
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