→百 11〜20←

《leave》

捨てないでと泣きついたら
捨てるんじゃないんだ手放すんだよと諭された
どっちも同じこと
私から離れていっちゃうんじゃないか

何処へ行くのと尋ねたら
にっこりと笑って何も言わずに外へ出た
部屋の中に残されて
一人で覗き窓から入る七色の光を見つめてた

眼を閉じる
貴方は帰ってこない
何となく分かること
だって貴方は私を見離したんでしょうから

=2002/10/06=

《lost》

届かぬ道
届かぬ果て
歩くまでは
開くことなく
進むまでは
荒れたまま
届かぬ手
届かぬ先
逝く者を
追うほどに
亡き者を
焦がれるほど
届かぬ視線
届かぬ想い
暗がりで
膝頭を抱え
薄闇に
囚われたまま

=2002/10/02=

《script》

焦らなくても大丈夫
急ぐから駄目になる
解きたくても
絡まってしまう
無駄だよ
慌てても
無駄さ
足掻くだけ

=2002/09/29=

《sometimes》

私は私のために生きて
私は私のために死ぬ
私は私のために歩き
私は私のために前へ行く

あなたとは別々の存在で
あなたとは離れるべき存在

私は私のために生き
私は私のために死ぬ
私は私のために歩き
私は私のために殺す

=2002/09/26=

《cat》

捨てられた猫が歌う
それはポップスでもロックでも
況してや
アカペラですらなく
出鱈目な鼻歌
曖昧な歌詞
それでも猫は歌う
絶妙なバランスで成り立つ
滅茶苦茶なラプソディ
聞くもの全てに笑いを与え
聞くもの全てに哀しさを思い出させる

捨てられた猫が歌う
徒なセレナーデ
誰が聴くかも分からぬまま
ただ呟くように歌う
切なさを与え
愛しさに狂う
人々は音に魅入り
身体の趣くままに
それでも猫は歌う
なだらかなハーモニーを

=2002/09/22=

《fast》

何を急ぐことがあろう
私はこんなにも微睡んでるんだ
何を急ぐことがあろう
私はこんなにも幸福に包めれている

どうしたんだい?
そんな追いつめられた表情で

何を急いでいるんだか
私は休んでるじゃないか
何を急いでいるんだか
私はまだ起きたばっかりなんだ

どうしたんだよ
そんな追いつめられた顔してさ

何か急いでるの
私には何も出来ないわよ
何か急いでるの
私が何でも出来るわけ無いじゃない

どうしたってのよ
そんな追いつめられた目で

=2002/09/20=

《the end》

世界が終わりだと告げられたその日。
僕は一人で線路の上を歩いていた。

世界が終わりだと告げられたその日。
みんなは生にしがみついた。

助けてくれ
助けてくれ

多分誰かが言った。
無様な大人が叫んだ。

死にたくない
死にたくない

奇声が響く。
小鳥は相変わらず囀っていた。

子供は遊んでいる。
学校が休みで喜んでいる。

学生ははしゃいでいる。
馬鹿みたいな話をして忘れようとする。

世界は終わりだと告げられたその日。
僕は一人で口笛を吹く。

世界が終わりだと告げられたその日。
僕は一人でひっそりと笑った。

=2002/09/19=

《monstar》

己を見つめれば
穴ばかりで
誰かをふと見れば
どうしようもない破壊衝動

下らない
本当に下らない
馬鹿げた日々

何をそんなに
壊したかったのか
知らない

首を絞めて
その時
気付くかどうか

爛れていく
傷痕
ぐずぐずに腐る

昔に戻りたくもない
先も進みたくない
この場所で

留まるのは

=2002/09/17=

《don't lookin' for me》

見える
見える
本当に
見える?

何が
見える
何を
見てる

勝手な
言葉で
囚って
囲って

閉じ込めて
知らない
首が
折れるまで

何も
見ない

=2002/10/18=

《mirror》

そうして忘れる
こうして忘れる
何もかも忘れる
全部忘れる
忘れられないから
許せるはずも無く
忘れれば良いものを
未だ固執する
誰だろう
そこにいるのは
私を許さないのは
忘れたくないから

憎いのは自分自身
醒めた眼には歪みをはらむ

=2002/09/03=

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