→百 41〜50←

《deep》

眠りにつく
貴方の手が
決して届かぬ
そう思って
一人きり
布団の中に
身体を埋めて
眠りにつく

息を吐く
ゆっくり
静謐を守り
決して乱さぬ
この音を
一人きり
暗闇の中に
身を潜めて
息を吐く

何処に居ても
何処へ行こうと
貴方は
私を離そうとせず
真っ白になるほど
握り締めた腕は
やっぱり白く
血の気も引いて

何処に居ても
何処へ行こうと
僕は

=2003/02/28=

《atonement》

糸の上 張り詰めた
空気ではない 塊
爪先 神経を
集中 静かに静かに
目を閉じると 暗
目を覚ますと 恐
立ち止まる 不可能な
歩き続け 落ちるまで
助けは 来ない
助けは いらない

深い 水の底
絡め取られる 四肢
だから 抵抗など
水草の根
張り巡らされた 枝
花は綺麗なだけ
首筋を撫でる その刃は
首などを薙ぐ その刃は
助けなど 求めない
私だけの

=2003/02/25=

《shut up》

笑わないで
邪魔なだけ

言い訳は不必要
言葉を繰るだけ
無駄なだけ

もういい
何も言わないで

これ以上は
多分いらない

もういい
何もいらない

私でさえ
嫌気がさす

=2003/02/22=

《be quiet》

誰かの怒声が聞こえて
誰かの悲鳴が聞こえて
誰かの吐息が聞こえて

ああ
ウルサイウルサイウルサイウルサイ

もう少し静かにならないのか
もう少し黙ってくれないのか
もう少し落ち着こうとは考えないのか

ああもう

私は静かにして欲しいんだ
私は静かな場所が好きなんだ
雑音は邪魔なだけだよ

だから

煩いね
その口を縫ってしまおうか?

=2003/02/22=

《goddess》

貴方だけのものじゃないから
貴方のために死ぬものですか
貴方はいつも自分勝手
私の立場はどうなるの?

貴方だけのものじゃないから
貴方のために死ぬのはイヤ
貴方はそうね エゴイスト
私だけが犠牲になる

教えて欲しいわ
神なんてものがいるのなら
貴方の存在自体を
消してしまわない理由を

教えて欲しいわ
女神なんてものがいるのなら
どうして貴方が
報われないのか

どうせならそのまま召されてしまいなさいよ

=2003/02/16=

《Lie》

苦しい言い訳も
揺れる手先も
あなたは
あなたは
まだ嘘を吐く
わたしに
嘘を吐く

悲しい戯れ言も
逸らすその眼も
あなたは
あなたは
まだ嘘を吐く
わたしに
嘘を吐く

どうして
あなたは
いつまでも
いつまでも

言葉だけ
誤魔化して
騙して

嘘を吐く

わたしを
信じない

だから
嘘を吐く

あなたは
嘘を吐く

=2003/02/11=

《crash》

僕が壊れる
どうして?
当たり前
僕が壊れる
そんなの決まってる
僕が壊れてる
だから捨てられる
壊れるから
壊されて
破壊の限り
自分を壊して
僕を壊して

僕の名前は
壊れっぱなしだから
聞こえることもなく
発音すら出来ない
空気の振動が
風になって聞こえるけど
意味が違うから
それはまがいもの
僕は壊れたまま
壊されたまま
壊したまま
僕が壊した

僕はまだ壊れていて
僕はまだ壊していて
治されては
壊して
癒されては
潰して
何も出来ない
他人の眼が
あんまりに面白いから
また僕は壊れたふりをする
壊れたままになる
壊れて
壊して
壊されて
そして壊す

全部壊す
何もかも壊す
壊れればいいんだ
きっとその方がいいんだ
僕はそう思うから
壊すんだし
壊れるんだし
だからこそ
壊されるんだろう?

=2003/02/04=

《scrap》

「生きていますか?」
そりゃあ生きてるだろと言うのは反則だろうか。
いや、反則ではないはずだ。
その質問には的確に答えている。
何一つ矛盾は無い。
だから答えは当たってるはずだ。
だけど何も言えなかった。
何故だか声が出なかった。

「生きてないんですか?」
こうきたもんだよ、全く。
生きてるんだけど答えられないだけだと言いたい。
けれどやっぱり声が出ないもんだから何も言えない。
言えない。
伝えたいけれど、吐息すら出やしない。
全く。まったく。

「生きてないんですよね、答えないんだから」
それもまたふざけた問いのようで。
でもよくよく考えると相手のほうが当たってるような気がしてくるもんだ。
生きてるのに答えないのは生きてないということを答えにしてるようで。
それじゃあやっぱり死んでると思われても仕方ないのかもしれない。

「じゃあ、片付けましょう。とりあえず」
おいおい、とりあえずでどうにかなるもんじゃあないだろ。
そう考えたところで何も言えないのだし、
そもそも動くことすら出来ないのだから反論の言いようが無いってもんだ。
けれどこのままじゃ片付けられるということが分かって少しだけ。
ほんの少しだけ、ホッとした。
たぶん、片付けるときに生きてるってことが分かるだろうし。

「おや?」
ああ、やっと気付いてくれたのか。
良かったと思う。
生きてることが確認されただけでもありがたい。
このぼろぼろの身体を治療してくれるような場所に運んでくれれば、なおありがたい。
ようやくここから動けると思うと安堵感で力が抜ける。

力が抜ける?

力が・・・あれ・・・・・・どう・・・し・・・

「やれやれ、やっと死んだか」
「先輩、どうしましょうか?」
「ほっといてもいいんだが・・・ああそうだ、肉屋にでも売れば少しは金になるな」
「じゃあ連絡しておきましょうか?」
「そうしてくれ。こっちも片付けなくてすむしな」

=2003/01/25=

《classical》

過去のことなどどうでも良くて
未来のことなど知りはしない
今だけを
今だけを生きてる

目を瞑れば後悔だらけ
目を開ければ絶望だらけ
それでも
それでも生きてる

まだ生きてる
僕はまだ生きてる
死んでると思ったのは
ただの勘違い

ただの勘違い
それだけ
それでもまだ
僕は生きてる

=2003/01/18=

《press》

圧縮される
この身体を
圧縮される
この思考を

世界が潰されていく
世界が壊されていく

圧縮される
この身体ごと
圧縮される
この思考ごと

世界が潰されていく
世界が壊されていく

潰されて
壊されて
塵芥
流される

=2003/01/14=

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