→百 51〜60←

《Wreck》

抱え込んで消えた夢は
足元にたたずむ影
逃れられない己に
忘れられない過去
自分自身を嫌いに
なれればと
途方もない夢なんか語りだして
それが圧し掛かって
嘘だと気付いてるけれど
嘘だと言い出せない愚かさ
口を閉ざせば
不安に駆られて
口を開けば
道化の如く

なれのはて

全て嘘だと気付いていても
全て嘘だと信じたくない
全て嘘だと言い聞かせても
それすら嘘だと思い込んで
幻を追う
影から逃げる
それでも嘘を吐き続けて
いつやら嘘に呑まれてしまう

=2003/04/04=

《actuality》

騙されてた
全部が嘘で出来ていた
気付かなかった
嘘が私の本当だったから
誰かが呟くまで
誰かが囁くまで
気付きたくなかった
真実なんてイラナイ
現実なんて見たくない
どうしても振り向かせようとする
オトナたち
どうしても振り向かない
ワタシたち
嘘で十分だった
嘘だからこそ救われた
凄惨過ぎる
事実から眼を逸らして

=2003/04/04=

《war》

同じ過ちを繰り返すつもりなら
私は手段を選ばない
私は目的を選ばない
同じ過ちを笑い飛ばすなら
私はあなたを許さない
私はあなたを蔑むだけ

何の為に
何を理由に
正義を名乗り
悪を創り
殺し合いを始め
血の惨劇

同じ過去
同じ未来
ふざけるなよ
とぼけるなよ
言い訳はどうしたんだ
誤魔化しはどうしたんだ

これ以上
見下すのなら
私は許さない
彼も許さない
誰も許さない
躊躇い無く

屍を糧にした赤い地面と
煤で染まった碑文と
生き残った人々と
死ねなかった人々と

同じ過ちを繰り返すつもりなら
私は手段を選ばない
私は目的を選ばない
同じ過ちを笑い飛ばすなら
私はあなたを許さない
私はあなたを蔑むだけ

この身 朽ちるまで

=2003/03/26=

《PeaCe》

束縛を嫌う者が
自由に縛られて
権利を主張する様は
愚かしく
滑稽だと思わないか?
少なくとも
自由を知らない者が
知らない自由を求めるはずが無く
自由を侮辱することなど
あり得ない筈なのに
自分の思考を
他人に押し付けるのではなく
他人に理解させようでもなく
他人もそうあるべきだと
ただ信じてる
無神論者を捕まえて
神の言葉は素晴しいと
訴えているようなもので
あくまで
己にしか通用しない雄弁だと
何故気付かないのか
それすらも矛盾している
正しいこと
そんなもの個人の主観でどうにでもなる
過ち
それも主観だ
誰を罵ればいいのか
誰を殺せばいいのか
そんなの知るもんか
自分で決めるものだろう
自分で抑えるものだろう
他人の手を借りた自由など
他人の手の内の平和など
束縛を望む
哀れな奴隷にしか
過ぎない

そしてそれも

=2003/03/23=

《crow》

抱え込んだ腕は
食い込んだ爪で
薄く赤らむ
痛みなど感じえぬまま
ますます力を加え
気付けば
紅く
滴り落ちる
紫に染まる傷痕
足りない
それでもまだ

遠のく イシキ

眠りにつく前に
目を閉じる前に
この苦しみだけを
どうにかしたくて
かきむしる
爪がぼろぼろになろうとも
背中が腫れ上がろうと
痛みを感じえぬまま
痛みと感じられぬまま
叫び
呻き

遠のく リセイ

=2003/03/17=

《nightmare》

ふとしたキッカケで
正気に戻り
目の前の出来事に
言葉を失う
表情が固まる
足が動かなくて
目を逸らすことも出来ない

分からない 何も

我に返り
身体も自由を取り戻し
それでもまっすぐは見れない
目の前を見ることが出来ない
言葉が詰まる
息が出来ない
このまま気を失えたら

分からない 何も

倒れたら楽になれるだろうか
暗闇は安堵を与えてくれるだろうか
眠りは悪夢しか見せない
悪夢は悲鳴すら届かない
一筋の光とて
そのままでいるのだろうか
影も作らず

分からない 何も

分からない 私には

今更 何を 思い出そうと
変わらぬ現実
変わらぬ過去
分からない
何も
分からぬまま
差し伸べられた手を 払う

=2003/03/11=

《misunderstanding》

一人では不安に駆られて
君がいるだけで
こんなにも安堵する
充実感
とは違う
充足感
そう それだ
満たされた感覚が
僕を支配して
きれぎれな吐息も
ようやく深呼吸
誰彼構わずなんて
そんなわけない
だって君じゃないと
こんなにも落ち着かない

僕だけだろうかと
目を泳がせて
話す貴方は
それを惚気とは
考えていないようで
私は思わず苦笑してしまう
貴方の言葉に笑みがこぼれる
だって
それは
あんまりに分かりきっていることで
私じゃなくても
貴方は安堵するのだし
不安がるのは
一人のときだけ
それだって私を引き止める為の口実

=2003/03/06=

《admonition》

何もしなくていいと
囁くあなたの声が
とても優しくて
思わず目を閉じてしまったから
そのまま眠ってしまったの
3色だけの夢
半端な赤は私の肌の色
真っ黒に染まった髪の毛
後は白くて
白いだけ
あなたの姿も白いから
私の目には映らない
声も白いものだから
私の耳には届かない
夢に留まるには
どうしようもないほど
あなたに囚われてるのが分かるから
分かるから
少しだけ待って
一人きりを嘆いた後に
何も出来ない私は
あなたの囁きを
戒めにいくから

=2003/03/04=

《shadow and shine》

頼むから
穴を塞がないでくれ
光が
消えてしまうから

頼むから
穴を埋めないでくれ
これ以上
私を一人にするつもりか

影とも闇とも
言い切れない
曖昧な曖昧な
暗がり

零れる光が
私の肌を焼き
顔を焦がし
目を潰す

何も見えなくとも
何も見えなくても
頼むから
穴を閉じないでくれ
私を ココに
閉じ込めるつもりか

=2003/03/02=

《clinic》

閉じ込められた
そんな気がする
狭い出入り口
向こう側が
僅かに見える
黄ばんだ壁は
蛍光灯で
それでも
白く
何者も拒むよう
そんな気がする
放置された
人工レザーの
座り心地の悪い
ベンチ
どんな色でも
構いはしないけど
それでも
やはり
温かみは無く
そんなとこに
座って
待つ時間ほど
寒々しいものもなく
鬱陶しいものもなく
だから
嫌いだ

白い壁に
狂気しか
塗りこめられぬ
病院など

嫌いだ

=2003/02/28=

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