→百 61〜70←

《horrifying》

他人を嫌うまま
なるがまま
それでも
孤独は
私を
責めて
取り巻き
他人を遠ざける

冷たい床
飾り気の無い壁
閉じたままの扉
温もりの無い身体

他人を欲すのに
言葉だけは
刺々しく
吐かれ
私は
誰もを
突き放し
それでも
他人を掴もうと

冷たい指先
触れた先は
呆気なく崩れ
温もりの無い身体
触れた先から
次々と壊れる

=2003/05/06=

《instability》

一人なら佇むだけでよかった
二人では向かいあわねばならない

顔を合わせたくないから
目を逸らしたままなのに

突き刺さる視線
意識してしまうから

一人なら静寂も心地良い
二人では静寂は痛々しい

無言の語らい
見つめるだけなのは止せ

何も言わないのは
それだけで伝わるから

一人なら凍えてしまう 二人ならどうなる?

=2003/04/26=

《vexing》

傍に居ることが
単なる偶然の産物だと
気付かなかったのは
何故なのか
誰も教えてくれなかった
寂しげな事実
虚しく響く
波打つ鼓動は邪魔なだけ
いっそ止まれば
如何ほど楽になれようか

恨めしい
どこまでも深みにはまる
厭らしい
いつまでも抜け出せない

その場に留まることが
単なる気まぐれだと
悟らなかったのは
何故なのか
貴方も教えてくれなかった
戯けた現実
空々しく溜息
理由など今更
咎めるだけなら
自分を騙す必要も無い

憎らしい
ふてぶてしい態度
厭らしい
縋りつく自分

=2003/04/27=

《detest》

つまらぬ意地に負けて
手放す機会
望むものはすでに向こう
手に入るはずなく
悔いた表情で見つめる
口唇噛み締め
赤く染まるまで
握り締めた手のひら
爪あとが痛々しい

負け惜しみは十分だ
後悔も済んだ

薄っぺらな虚勢を張って
見逃す獲物
望むものはすでに遠く
手に入れようもない
嘆くほどではないものの
まなじり吊り上げ
歯を喰いしばり
血の気が引いた
白い手のひら
深爪が憎らしい

=2003/04/26=

《uneasiness》

燻る
暗い影
光が増せば
ますます濃くなり
やがて耐え切れず
消える

曇る
眩い陽
目を閉じれば
姿など見えず
目を潰せば
消える

怖い
警鐘を鳴らす
震える足は
いつ動き出すのだろう

怖い
唇を噛む
血の味如きで
誤魔化せるなら

暈ける
目の前
途切れていく
意識だけ
遠のいていく
夢心地

翳る
目の前
手放したくない
意識と
離れたくない
その手と

=2003/04/23=

《vaguely》

どれもが私の感情だと認めるには甘すぎた
潔癖さを是としたことに今では苦笑いすら浮かべる
それほどに愚かだったのかと
確かにそれは善ではないのだろう
だがそれは全ではないだろう
それに気付いたのはいつの頃か

曖昧さを伴う答えを嫌っていた
すべてに白黒付けなければと焦っていた

手段のために目的を選ばなかった頃とは違う
はっきりしない目的に戸惑う頃とは違う
汚れない手などあるものか
悪と認めるのは己自身だろうと
悪を罵るのは己しかいないことを
矛盾を見つけたのはいつの頃か

曖昧さの残る自分を嫌っていた
揺れ動く感情を無理矢理引き止めた

特別など存在しない
完璧など有り得ない
不完全だから許せるのだと
諦めを伴う
安堵を伴う
どれもが己自身だと気付いたのはいつの頃か

=2003/05/06=

《escape》

裏切るのも
騙すのも
黙っててあげるから
さっさと逃げなさい
追いかける前に
私が留まる間に
力尽きるまで走って逃げて
夜になる前に
陽が暮れる前に
さあ 逃げなさい

その仕打ちも
その意味も
分からないことにするから
逃げてしまえ
誰にも言わないさ
俺も見ないから
そのうちに逃げてしまえ
大丈夫 追いかけやしないさ
大丈夫 見逃してやるよ
さあ 逃げろ

振り返るなよ

とっとと逃げな

=2003/04/20=

《perfumef》

気になって
息を吸い込むと
鼻腔をくすぐる匂い
たどり着いた先は
甘い甘い罠

逃げ出せない
囚われたのはこの身だけでなく
奪われてしまったのは何?
閉じ込められるのは嫌
だけど想いで縛られてしまいたい

気になって
ふらりと飛び出せば
覚えのある匂い
振り返れば
静かな笑顔

逃げ出せない
こんなにも苦しいのに
愛しいと思うから
自分を騙しとおすなんて
そんなの出来たらやってるさ

逃げ出したい
けれど逃げたくない
せっかく捕まって
その手 掴まえて
離すくらいなら
殺されたっていい

甘い匂い
微かな香り
誘い出されて
引き寄せられて
逃げ出せない

=2003/04/20=

《sway》

ゆらゆら

揺れている
地面が?
私が?
揺れている

ゆらゆら

揺れている
空が?
貴方が?
揺れている

ゆらゆら

揺れる
何が揺れる
ココロが
キモチが
揺れる
揺れる

何のために?
誰のために?

=2003/04/20=

《revolve》

無闇に
前に
立つから
私は
貴方を
殺すでしょう

誰の言葉とも思えない
誰の言葉かと思えない

無意味に
殺意を
向けるから
私は
貴方を
笑うでしょう

誰の声かと分からない
誰の声かも分からない

=2003/04/20=

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