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《murderous intent》

憎らしいと思ううちは
まだ戻れるものだよ
殺してやると罵るうちは
まだ迷ってるのさ

躊躇いはいらない
一息吐く前に首を刎ねろ

赦せないなんて言葉は
妥協があるものさ
双眸に恨みが残る限り
無意味な武器を振るうだけ

感情はいらない
瞬きの間に息の根を止めろ

=2003/06/23=

《control》

分かってるからって
どうにかなるようなもんとは思わねえよ
そこまで楽観的じゃないさ
悲観的でも無いけどな

理解できるような代物だとは
考えてもねえ
そもそもそんなことが出来るなら
忘れることだって出来るさ

どうしようもないから困ってんだろ
どうしようもないから動けねえんだろ

抑えられない
押さえ込めない
今にも言葉が口から飛び出しそうで
そのうち精神と身体が裂けてしまう

間違えようもない思いだから
下手に捨てるわけにもいかないさ

=2003/06/23=

《at random》

偶然だと思っていた過去は
誰かの手によって作り出された未必

奇跡

なんてものがあるのなら
今頃ここで生きちゃいない

掴まるのは現実だけじゃない
絡むのは幻想だけじゃない

神様

そんなのが居るんなら
どうしてこうも生きにくいんだ

悪魔のように微笑む
天使のように囁く

必然

勝手にしろよ
思い通りになんて動いてやらない

誰かの為に
誰かと共に

キセキ

起こせるもんなら
たちまちにバランスが狂っちまう

信じるも
信じないも

カミサマ

居るんだったら返事くらい遣せ
居ないんだったらその証拠を渡せ

有り得ないだって
思うだけじゃ否定にならない

ヒツゼン

何でもない顔をして
無作為を装ったフリは止せ

=2003/05/24=

《be Bound》

捕まえた袖口はあっけなく裂けた

多分この世界から落ちてしまいそうになったから
助けを求める気持ちで目の前の腕を取ったんだ
だけれどそれは人形で
こちらを掴もうとなんてしてくれない
ただガラス玉の瞳で見下ろすだけなんだ
だから?
もちろん必死につかまったよ
落ちたくなかったから
落ちたからって死ぬわけじゃないんだろうね
でもその時ボクは死ぬかもしれないと思ったんだ
だから掴んだんだ
必死で

そのうち腕がもげそうになったから
そうとてもとても慌てたんだよ
もげた腕と心中なんてゴメンだって
次に掴んだのは洋服だった
シャツの袖口を必死に掴んだ
戻れることなんて考えちゃいなかった
袖から上るなんて想像もつかなかった
だって落ちたくなかったからね
けれどその腕は
その袖は
あっけなく引き裂かれて
落ちてしまうかと思ったんだよ

生きたいと思えば誰だって簡単だよ
生きたいと願えば少なくとも助かるはずなんだ

掴まった腕は冷たいまま

どうにか壁にしがみついてよじ登ったんだよ
此処まで
そうしたらどうにでもなるだろうからね
生きることが辛いと云いだすにはまだまだ先が長すぎるんだ
この半分くらいが丁度いいってのに

とにかく這い上がった先には待ち人が居たんだ
頬を引き攣らせたような笑みを浮かべて
こちらの挙動をひとつひとつ見つめてるだけ
助けてくれるわけでもない
突き落とすわけでもない
ただ見てるだけ

そう 視線が合ったんだ

=2003/05/20=

《intoxication》

気付けばのめり込む
だから気付いてはいけない
気付けば離さない
だから気付かないフリをする

空っぽの腹に溜まる
澱のような欲望
隙間だらけの胸に透く
酩酊にも似た切望

壊すには勿体無い
毀すには物足りない
呑みこむにも呑みこまれるにも
赦されるようなものでもない

空っぽの脳髄を埋める
泥にも似た罪悪感
水に満たされた
身体を見捨て

忘れられるうちに
捨てられるうちに
全てをまぎらわし
睡魔に魅入られることを願う

=2003/06/23=

《Bigotry》

慰めあうには遠すぎて
殺しあうには近すぎる

自分のせいにして
他人を寄せ付けない
感情を露にするくらいなら
ただただ謝る方が楽
そう 面倒なのが嫌いなだけ
慣れ合いもいい加減飽きてきて
放り投げたら喰いついてきた
しつこいね
疲れたから眠る
空腹だから食べる
それだけのこと

憐れみの表情が嫌いで
態度も全て気に喰わない
構ってくれるのは分かるけど
それは私に必要ない
黙ってヒトリにさせてくれ
慣れ合いも十分だから
蹴り飛ばしたら壁で跳ね返った
しつこいね
耐え難い欲望に
忠実に動くだけ
それだけのこと

心地良いのは認めるけれど
この場に留まるのは遠慮するよ
私の為に用意してくれたのだろう
それが私に不快を覚えさせる
何処だっていいんだよ 本当は
慣れ合いなんて御免だね
振り解いたら抱きしめてきやがった
しつこいね
快楽に身を委ねる
最悪に身を浸す
それだけのこと

慰めあうには遠すぎて

殺しあうには近すぎる

=2003/05/11=

《inclusion》

惑ううちに時は過ぎ
手遅れになり
何も出来ぬまま
手を拱いたまま

誰の手も取れず
この手も差し出せず
迷ううちに
誰もが居なくなる

ヒトリなら余らない
ヒトリなら残らない

予想せず疎外感
外様の中に
途方もなく孤独感
その距離で

振り向くことも
振り向かせることも
出来ないと言うのなら
言葉など不必要

ヒトリなら余らない
ヒトリなら残らない

逃げようとした意識を
浮上させるほどの熱
閉ざしたはずの感情に
穴を穿つ叱咤

踏み込めぬ空間
踏み入れぬ我が侭
全てを包むよう
全て呑まれた

=2003/05/15=

《Run after You》

逃げられてもかまわない
必ずその手を捕まえてやるさ

追いかけても
知らないフリをするだろう?
それでもいいさ
お前の後ろ姿だけが
俺の生き甲斐だからな

走り続けるのも悪くない
追い続けるのも悪くない

時々立ち止まって
手招きするのは何故だろうな
遊んでるんだろう?
それでもいいさ
距離はそう遠くない

からかわれても仕方ない
遊ばれても気にしない

真面目な役は似合わない
冗談くらいが丁度良い
嘘と本気の間くらいで
それでもいいさ
生きる死ぬなど似合わない

逃げられるのはいつもの事
必ずその手を掴まえてやる

=2003/05/06=

《possessiveness》

彼のことなど忘れている
彼の言葉だけが残されている
意味は聞けずじまい
理解は出来ない

―――

姿は覚えちゃいない
声は忘れるものか
ほんの少しの微笑と
全てを打ち消す憐憫と

―――

顔なんか見ない
知らないから
囁きを聞かせて
それだけが手がかり

―――

彼のことなど忘れている
言葉だけが取り残されて
意味は教えてくれない
理解はしなくていい

それは私だけの言葉

=2003/05/06=

《Please》

取り返そうと無理矢理に
腕を突き出せば
肩の付け根から叩き切られ
駆け出そうと足を伸ばせば
弾丸に撃ち抜かれる

逃げられない

何となくそう思った
直感は理屈よりも単純だ
だからこそ分かることもある
逃げられない
この場で死んでしまうだろう

息が途切れても

生きることを許されない
死ぬことを望まれた
彼らは欺けない
なるほど確かに
私は死ぬのだと

振り返る余裕など

とうに失っている
走り始めた時点で
その権利を捨てている
確信する
ならばその手で

有り得ない

この胸を
この鼓動を
この足掻きを
止めるがいい
他ならぬその手で

=2003/05/06=

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