踏み倒していく草いきれ 息苦しくも前へ行く 何処までの道なんて 知らなくても生きていける 身に縋る小さな虫を 払いのけては前へ行く いつまで歩くなんてこと 知らなくても死ぬもんか 暗がりに逃げる人の影 明るみに群れる蝶の羽根 視界は歪む壁の前 理解すら食む蟻の歯牙